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江戸から昭和までの家並み続く奈良・五條新町

 Uploaded by 朝日新聞社
江戸から昭和までの家並み続く奈良・五條新町
2019/01/01 公開
奈良県の南西部にある五條市は、古くから大和と紀伊、伊勢を結ぶ交通の要衝として栄えてきた。江戸時代初め、新町という町場が新たに開かれ、商人らでにぎわった。今は五條新町(ごじょうしんまち)と呼ばれ、約900メートルの通りには、江戸時代の町家や昭和初期の洋風建築など多様な建物が今も軒を連ねている。
 JR五条駅から国道沿いを10分ほど歩くと、「新町通り」と書かれた看板が見えてきた。ここで街づくりのNPO法人「維新の魁・天誅組」の山中弘美さんと待ち合わせた。
 山中さんと町家が並ぶ通りを歩き始めると、ピアノの音が聞こえてきた。住人が弾いているのだろう。「カフェや商店もありますが、普通の民家が大半です」と山中さん。そのため、重要文化財の栗山家住宅や県指定文化財の中家住宅も非公開だ。
 自由に見学できるのは市の施設の「まちや館」や「まちなみ伝承館」などに限られる。まちや館は江戸期の町家の雰囲気を実感でき、明治から大正時代に医院だったまちなみ伝承館は、観光案内所を兼ねている。
 通りを歩いていると、視線の先にコンクリートの建造物が見えた。「あれが幻の五新鉄道ですね」と山中さん。五條から和歌山の新宮を鉄道で結ぶ計画で、1939年に着工したが戦況の悪化で中断。戦後に再開されたが、結局81年に凍結された。古びたアーチ形の高架橋が今も残っている。もし戦争がなく、五新鉄道が完成していたら、奈良県の南部の景色は大きく変わっていただろう。





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