客室さえ出られない・・・世界が注視する豪華客船の行方

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客室さえ出られない・・・世界が注視する豪華客船の行方

2020/02/05 公開 3700人を乗せて横浜港の沖合に停泊していたクルーズ船に大きな動きがありました。新型コロナウイルスに感染した人が船内に10人いたことが確認されたため、3700人は5日から約14日間、船の中にとどまることになりました。 　その船には56の国と地域の人が乗っています。3日に横浜港に入港して以降、検疫のため接岸できずにいる豪華クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗客の1人、イギリス人のデビッド・アベルさんは糖尿病を患っています。 　クルーズ船の乗客、イギリス人、デビッド・アベルさん（73）：「私たちは昨晩7時から今まで何も食べていなくて、現在、朝の11時50分です。僕は糖尿病を患っていてインスリンを欠かせないので、先ほど外に出て話をし、『食事が足りていないから下さい』とお願いしに行ったのだけど、なんと驚きの回答が返ってきて、船内のすべてのサービスが停止されたと言われた」 　その後、病気に配慮された食事が届いたということですが、不安な状況が続いています。約3700人が乗るクルーズ船から5日朝に乗客9人、乗員1人の合わせて10人が新型コロナウイルスに感染していることが分かり、病院に搬送されました。うち3人が日本人だということです。感染者の数はさらに増える恐れがあります。感染が確認されていない乗客乗員については5日から14日間、船内にとどまってもらい、健康状態をチェックするということです。 　船内アナウンス：「皆さまには客室から出ないようお願いを致しております」 　クルーズ船の乗客は不安を口にしています。 　クルーズ船の乗客（60代）：「2週間ずっと部屋の中にいなければいけないということなので、精神的な不安というんでしょうかね。結構しんどいことかなと思ってますけども。船の中にランドリー（洗濯機）が付いていて、そこで洗濯はできたんですが、それも部屋の中から出られないということで、洗濯は（客室の）洗面台で手洗い・・・。手で洗うというぐらいのことしかできないという、そんなことなんですね」 　船には60代や70代の乗客が多いということです。 　一方、中国に進出する日本企業への影響も深刻になっています。居酒屋チェーン大手「ワタミ」は感染拡大の影響が長期化する見通しとなったことから、中国で展開する居酒屋事業から撤退すると発表。「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングや「無印良品」を展開する良品計画は、日に日に中国で休業する店舗の数が増えています。 　現在、中国の武漢に住む日本人で帰国を希望する人がまだいるため、政府はチャーター機の第4便を6日に派遣する方向で調整しています。