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「恐竜王国」福井 観光だけでなく、最先端の研究も

 Uploaded by 朝日新聞社 「恐竜王国」福井 観光だけでなく、最先端の研究も (2018/07/30)

「恐竜王国」福井 観光だけでなく、最先端の研究も

「恐竜王国」福井県への旅に出た。福井駅から出ると「恐竜広場」があり、勝山市で生息していたフクイラプトル、フクイサウルス、フクイティタンの3体が、実物大で動くモニュメントになっていた。
 中核施設は、県立恐竜博物館が「恐竜王国」。そこに行く道中では、橋の近くや郵便局のポストなど、いたるところに恐竜の模型やデザインがあり、県をあげて雰囲気を高めようとしているのがよくわかる。
これまで福井県では5体の新種の恐竜が発掘されているが、すべて体験施設のすぐ近くにある約1億2千万年前の地層で見つかっている。
 体験施設には地層から切り出された岩が転がっている。ざっと表面を見ただけでも、植物の化石や魚のうろこのような化石がきらきらと光っている。案内をしてくれた県立恐竜博物館の野田芳和副館長は「2日に一度は、恐竜の化石が出る」という。
 発掘体験に来た子どもたちが、新種の発見者になれる可能性もある。この地層の岩を使った別の体験施設では、2年前、小学生がネズミに似た新種の哺乳類の化石を発見した。




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語り継ぐ戦争 元海軍飛行機整備兵だった田辺登志夫さん

 Uploaded by 朝日新聞社 語り継ぐ戦争 元海軍飛行機整備兵だった田辺登志夫さん (2018/07/29)

語り継ぐ戦争
元海軍飛行機整備兵だった田辺登志夫さん

昭和19(1944)年6月、15歳で志願して河和海軍航空隊(今の愛知県美浜町)に入った。3カ月の新兵訓練後、12月まで整備の練習生として勉強。鹿児島、大分の基地に配属され、終戦まで実戦部隊だった。
 沖縄作戦が始まり、連日、特攻機を送り出した。徹夜で整備し、明け方、出撃を見送った。でも空襲で工場がやられ、飛行機が届かない。最後は練習機まで出した。3機編隊なら2機は無線も機銃も外されていた。それに練習不足の若い搭乗員が乗って出撃していった。
 それでも何機特攻機を出せ、という命令が下れば、現場は出さなくてはいけない。結果が伴わなくても、ですよ。搭乗員も従った。軍隊はすべて「員数合わせ」だった。シャツも靴も銃もすべて天皇陛下からの支給品だ。絶対無くしたらいかん。たたき込まれた。無くしたら、盗んだ。それで数があえばいい。
 何でも競争だった。射撃や水泳、カッター、さらにハンモックをつるのも片付けるのも、掃除もその道具を素早く取るのも、全部競争だ。遅いと罰直です。よくやられたのは、おしりを木の棒で殴るバッターです。
 10~20人の班に分かれて行動した。誰か成績が悪いと、連帯責任で全員罰直です。だんだん弱い仲間をかばうようになる。それは効果だな。憧れていた軍隊はまるで違う世界だった。欲を捨て、上官や先輩が何を望んでいるか、読み取ろうとした。いいことも悪いことも徹底的に合わせた。それが自分との闘いだった。
 鹿児島では、サツマイモ泥棒をした兵隊がバッターの後、柱に縛られ、放置されたことがあった。同年兵が夜、握り飯を届けた。そいつの何が悪かったのか。盗みじゃない。農家につかまったのが悪い。私もナスやキュウリを盗み、一夜漬けにして班長に出した。泥棒はみんなやっていた。
 かと思えば、私の場合、将校用の炊事場の班長と妙に気が合い、時々、ごちそうを分けてもらい、それを自分の班長に出していた。おかげで気に入られ、制裁を免れていた。
 男ばかりの世界で少年兵を寝床に引っ張り込む班長もいた。夜中に部隊を抜け出し、下宿させた女房のところへ出かけるのもいた。
 そして突然、終戦。昭和20年8月20日、復員列車に乗った。忘れられないのは広島だ。夜に着き、駅のホームで、米を空き缶でたいて食べた。翌朝、駅の周りが何もないのに初めて気づいた。動く人の姿もない。何百人もの復員兵があぜんとしていた。原爆のことは何も知らされていなかった。




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阿蘇神社で御田祭 初めて神殿前で神楽奉納も 熊本県阿蘇市

 Uploaded by 朝日新聞社 阿蘇神社で御田祭 初めて神殿前で神楽奉納も 熊本県阿蘇市 (2018/07/29)

阿蘇神社で御田祭 初めて神殿前で神楽奉納も
熊本県阿蘇市

豊作を願う御田祭のあった阿蘇神社(熊本県阿蘇市)では7月28日夜、同市の中江岩戸神楽が奉納された。熊本地震からの修復作業が進められている国重要文化財の三つの神殿を背に、柴曳、平国、八雲払などが披露された。同神楽は毎年、この祭りで神楽を奉納するが、神殿の前で行うのは初。熊本地震前、神殿は拝殿の向こうに隠れていたが、地震で拝殿が倒壊。神社は拝殿を解体・撤去した跡が利用できる今だけの機会にと、神殿の眼前で神様に直接、奉納してもらうことにした。今後は拝殿の再建に向けた工事が再び始まるため、ここでの神楽はおそらく今回限りという。




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迫力ある「顔」やひょうきんな「顔」の練り歩き 北海道富良野市で「北海へそ祭り」

 Uploaded by 朝日新聞社 迫力ある「顔」やひょうきんな「顔」の練り歩き 北海道富良野市で「北海へそ祭り」 (2018/07/29)

迫力ある「顔」やひょうきんな「顔」の練り歩き
北海道富良野市で「北海へそ祭り」

北海道富良野市で7月28、29日、踊り手たちが自慢の腹に思い思いの顔を描き、おはやしに合わせ腹をくねらせてまち中を練り歩く「北海へそ祭り」が開かれた。富良野の夏を盛り上げようと始まり、今年で50回目。同市が地理的に北海道のほぼ中心に位置していることが、その名の由来という。主催する市などによると、今年は2日間で62団体約3500人の踊り手が参加した。飛び入りで参加する海外の観光客もいた。




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くまモンのフランス出張2018 ル・ゴルフ・ナショナルの巻

 Uploaded by 朝日新聞社 くまモンのフランス出張2018 ル・ゴルフ・ナショナルの巻 (2018/07/29)

くまモンのフランス出張2018
ル・ゴルフ・ナショナルの巻

熊本県営業部長のくまモン、南仏オクシタニー地方の出張を終えていよいよパリへ。ベルサイユに近い名門ゴルフクラブ「ル・ゴルフ・ナショナル」にニッカーボッカーズ姿で現れたくまモン、どうやら特訓のようです。




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くまモンのフランス出張2018 ニームとポン・デュ・ガールの巻

 Uploaded by 朝日新聞社 くまモンのフランス出張2018 ニームとポン・デュ・ガールの巻 (2018/07/29)

くまモンのフランス出張2018
ニームとポン・デュ・ガールの巻

グラディエーターの剣が太陽に輝く南仏ニームの円形闘技場、2000年以上にわたって壮麗な姿を保ち続ける世界遺産ポン・デュ・ガール。持ち前の元気と愛敬でずんずん進むくまモンのフランス出張、いよいよ佳境です。




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Jヴィレッジ再開

 Uploaded by SankeiNews Jヴィレッジ再開 (2018/07/30)

Jヴィレッジ再開

東京電力福島第1原発事故後休業していた、ナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)が28日、7年4カ月ぶりに再開した。
ピッチは駐車場や資材置き場になりスタジアムには東電職員の寮が建っていた。




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【ライブ】平成27年度 護衛艦 命名・進水式

 Uploaded by SankeiNews 【ライブ】平成27年度 護衛艦 命名・進水式

【ライブ】平成27年度 護衛艦 命名・進水式

3 時間前にライブ配信
ジャパンマリンユナイテッド 横浜事業所 磯子工場



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AKB48横山由依、「プレミアム総選挙」を提案

 Uploaded by JIJIPRESS/時事通信芸能動画ニュース AKB48横山由依、「プレミアム総選挙」を提案 2018/07/26)

AKB48横山由依、「プレミアム総選挙」を提案

AKB48グループの総監督・横山由依が、日本百貨店協会に加盟する各百貨店で開催の「プレミアム サマー バザール」のオープニングイベントに出席した。この企画は、月末金曜日の退社時間を早める「プレミアムフライデー」に合わせて行われるもの。最近の「大きな買い物」を聞かれた横山は、「自分へのご褒美として、ちょっと高いバッグを買いました」と明かした。横山はこの日、企画の趣旨を踏まえて「金曜日に総選挙(の開票イベント)を開催しては?」と提案。「『プレミアム総選挙』が行われ、土日に握手会で会えると、3日連続で(ファンに)楽しんでもらえるなと妄想しています」と話していた。

出席者:横山由依、世耕弘成(経済産業相)  2018年7月27日;東京・新宿  6分31秒  【時事通信社】




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Perfume出演の新CM、採石場跡地で撮影

 Uploaded by JIJIPRESS/時事通信芸能動画ニュース Perfume出演の新CM、採石場跡地で撮影 2018/07/26)

Perfume出演の新CM、採石場跡地で撮影

テクノポップユニットのPerfumeが出演する飲料ブランド「TULLY’S COFFEE(タリーズコーヒー)」の新CMが、7月30日から放送される。CMのテーマは「Professional Quality」。3人は、同飲料の製造工程で必要な3要素「ロースト=炎」「グラインド=粉砕」「ドリップ=抽出」を、それぞれ異なるパフォーマンスで表現している。CMの撮影場所は採石場跡地。6月にもかかわらず気温が7度という場所で、降り注ぐ雨に打たれながら踊ったかしゆかは、「顔に雨が当たっていても、クールな表情で頑張りました」と満足げに話していた。

出席者:Perfume  2018年7月27日  1分00秒  【時事通信社】




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オードリー若林が「斎藤茂太賞」受賞

 Uploaded by JIJIPRESS/時事通信芸能動画ニュース オードリー若林が「斎藤茂太賞」受賞 2018/07/26)

オードリー若林が「斎藤茂太賞」受賞

お笑いコンビ・オードリーの若林正恭が「第3回 斎藤茂太賞」に選ばれ、授賞式に出席した。若林は、キューバへの一人旅の経験をつづったエッセー「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」で同賞を受賞。「ピュアな視点と物の考え方」が評価されての受賞だという。選考委員を務めたのは、作家の椎名誠氏ら。若林は「こんな賞を頂けるなんて、思っていなかった」と喜んだが、「椎名先生が『あまり文を書いたことがない人なんだろうとおっしゃっていた。でも、10年くらいエッセーを書いているので、ちょっとショックだった」と苦笑いしていた。

出席者:若林正恭 ほか  2018年7月26日;東京・内幸町  4分47秒  【時事通信社】




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中2の芦田愛菜、「古文が楽しい」

 Uploaded by JIJIPRESS/時事通信芸能動画ニュース 中2の芦田愛菜、「古文が楽しい」 2018/07/26)

中2の芦田愛菜、「古文が楽しい」

女優の芦田愛菜が、今年で発売40周年となるグリコアイス「パナップ」の期間限定店舗「パナップ パフェ ショップ」(7月27日~8月19日)のオープニングイベントに出席した。同店舗では、7種類の中から複数のフルーツソースを選び、アイスにかけて食べることができる。一足先にオリジナルアイスを楽しんだ芦田は、「(ソースを)全制覇するまで、友人と何回も来たい」と語った。現在、中学2年生の芦田は「古文の授業が始まりました。とても楽しい」とコメント。「古文の『やがて』は、今の言葉では『すぐに』。『つくづく』は『しみじみ』。面白いな、と思います」と、笑顔で話していた。

出席者:芦田愛菜  2018年7月26日;東京・原宿  3分14秒  【時事通信社】




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順延された隅田川花火大会開催 2万発の大輪が夜空彩る

 Uploaded by 朝日新聞社 順延された隅田川花火大会開催 2万発の大輪が夜空彩る (2018/07/29)

順延された隅田川花火大会開催
2万発の大輪が夜空彩る

約2万発の花火が夜空を彩る、東京の夏の風物詩「第41回隅田川花火大会」が7月29日あった。午後7時、ライトアップされた東京スカイツリーと大輪の花火の競演が始まると、集まった人たちから大きな歓声が上がった。




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プロ棋士破った知花さん「勝ち目は薄いと思ったが…」 朝日杯将棋オープン戦

 Uploaded by 朝日新聞社 プロ棋士破った知花さん「勝ち目は薄いと思ったが…」 朝日杯将棋オープン戦 (2018/07/29)

プロ棋士破った知花さん「勝ち目は薄いと思ったが…」
朝日杯将棋オープン戦

7月29日に行われた第12回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)のプロアマ一斉対局で、船橋市の将棋講師、知花賢さんが、プロ棋士の大橋貴洸四段に勝った。大橋四段は、プロ公式戦で通算7割以上の勝率を挙げている関西の新鋭棋士。知花さんは「勝ち目は薄いと思って臨んだが、全体にうまく指せました」と話した。
 対局は大阪市の関西将棋会館であった。知花さんは「序盤は苦しかった」と振り返った。だが、中盤に入ると、知花さんが「勝負手気味に放った」という指し手に大橋四段が苦慮。接戦に持ち込み、最後は大橋四段の攻めに冷静に対処してきわどく勝ち切った。
 知花さんは、プロ棋士養成機関「奨励会」に在籍し、最終関門の三段リーグも経験した実力の持ち主。大橋四段とは師匠が同じ同門の間柄で、「大橋さんの強さはよく分かっていました」。知花さんによると、奨励会時代の対戦成績は3勝3敗だったという。
 知花さんは、3月の朝日アマチュア将棋名人戦(朝日新聞社主催)でベスト4になり、プロと対戦する権利を得た。次の2回戦では西川慶二・八段と対戦する。




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高校野球は爽やかな地獄(せいしゅん) バカリズムさん

 Uploaded by 朝日新聞社 高校野球は爽やかな地獄(せいしゅん) バカリズムさん (2018/07/29)

高校野球は爽やかな地獄(せいしゅん)
バカリズムさん

お笑い芸人として活躍するバカリズムさん(42)は高校時代は野球部に所属。厳しい練習を乗り越え、実力勝負のお笑いの世界を生き抜く力が培われたという。




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特攻服で見届けた、野球部同期の引退試合 宇梶剛士さん

 Uploaded by 朝日新聞社 特攻服で見届けた、野球部同期の引退試合 宇梶剛士さん (2018/07/29)

特攻服で見届けた、野球部同期の引退試合
宇梶剛士さん

色紙のメッセージは「一球入魂」。俳優の宇梶剛士さんに球児へのエールを送ってもらいました。




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三つ子のパンダ、4歳祝う ケンカするけど仲良し 中国・広州の動物園

 Uploaded by 朝日新聞社 三つ子のパンダ、4歳祝う ケンカするけど仲良し 中国・広州の動物園 (2018/07/29)

三つ子のパンダ、4歳祝う ケンカするけど仲良し
 中国・広州の動物園

中国・広州の動物園「長隆野生動物ワールド」で7月29日、世界で唯一、飼育されている三つ子のジャイアントパンダの4歳の誕生日を祝うイベント「三つ子祭」があった。100組の人間の三つ子の子どもたちが招かれ、ハッピーバースデーを合唱するなどしてパンダの順調な生育を祝った。三つ子のパンダは1番の上がメスの萌萌(モン・モン)、2番目がオスが帥帥(ショワイ・ショワイ)、3番目のオスが酷酷(クー・クー)。生まれた当時はわずか100グラム前後しかなかったが、今では100キロ前後まで成長。3頭はケンカをすることもあるが、仲良く暮らしている。




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【360VR】海の酸性化進んだ未来? 二酸化炭素噴出の海底で探る 式根島沖

 Uploaded by 朝日新聞社 【360VR】海の酸性化進んだ未来? 二酸化炭素噴出の海底で探る 式根島沖 (2018/07/29)

【360VR】海の酸性化進んだ未来?
二酸化炭素噴出の海底で探る 式根島沖

都心の南約160キロ、式根島(東京都新島村)近くの二酸化炭素が噴き出す海底で、筑波大の研究者らが「海洋酸性化」の影響を調査している。大気中の二酸化炭素濃度が上昇した影響で、海では酸性化が進んでおり、生態系への影響について研究者の関心が高まっている。
6月、記者が潜水調査に同行した。式根島南側、御釜湾近くの深さ10メートルほどの海底で、砂を巻き上げながら泡がぼこぼこと噴き出していた。手を近づけると熱く、あちこちから立ち上る泡は光るカーテンのようだ。地元のダイバーたちは「海中温泉」と呼ぶ。

 筑波大下田臨海実験センターの和田茂樹助教(生物海洋学)によると、噴き出す気体は、ほぼ二酸化炭素。硫化水素はほとんど含まれない。海水の表面付近の水素イオン濃度指数(pH)は一般的に8・1程度で弱アルカリ性だが、式根島の噴出場所では酸性に近づき、pHが7前後。同じような環境はイタリアのイスキア島やパプアニューギニア、硫黄鳥島などでしか報告されておらず、なぜ二酸化炭素が噴き出すのか、詳しい理由はわかっていないという。

 筑波大のメンバーは4年前から年10回ほど式根島で潜って調査。噴出場所から約100メートル離れたpH7・5~7・9のエリアと酸性化の影響がないエリアで、海藻の光合成や生育への影響を比較している。




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view 大けがから8年 親に゙… 放鳥トキの「84番」

 Uploaded by SankeiNews view 大けがから8年 親に゙… 放鳥トキの「84番」 (2018/07/28)

view 大けがから8年 親に゙… 放鳥トキの「84番」

今秋、試験放鳥開始から10年を迎える新潟県・佐渡島のトキ。環境省によると、今春の繁殖期は延べ77組のペアが営巣し、ヒナ60羽の巣立ちを確認した。しかし、この数は昨年よりも17羽少なく、関係者の思いは複雑だ。
 近年、巣立つヒナの数は過去最多を毎年更新していた。トキは巣立ちから2年で繁殖が可能。ペアも着実に増えていた。環境省佐渡自然保護官事務所の若松徹・主席自然保護官は「冬の寒さや春先の天候不順でエサが十分に捕れず、繁殖のモチベーションが下がった可能性がある」とみる。
 そんな中、関係者を驚かせる出来事があった。平成22年3月、放鳥を控えた11羽が野生復帰ステーションのケージでテンに襲われ9羽が死んだ“事件”。このとき生き残った2羽のうち1羽が、初めてヒナを巣立たせたのだ。
 当時、瀕死の状態で発見された個体番号84番の雄(9歳)だった。佐渡トキ保護センターの獣医師・金子良則さん(60)は、傷ついた84番の姿が忘れられない。「食道が破れてぐったりしていた。正直、ダメだと思った」と当時を振り返る。
 深い傷を金子さんが縫合。その後1週間、チューブで流動食を胃に流し込み命をつないだ。驚いたのは、その後の回復力。2週間後には、自分でドジョウを食べるまでになった。
 しかし、金子さんは84番の傷が完治しても、なかなか放鳥にGOサインが出せなかった。「心の中で何か引っかかるものがあった」のだという。悩んだ末に放鳥したのは、けがから1年半が過ぎた平成23年9月だった。
 84番がヒナ3羽を育てた事実は環境省のモリタリング調査で判明した。トキ専門の獣医師として27年間、孵化させたヒナの数は500羽を超える。それぞれ思いはあるが、金子さんにとって84番は特別な存在。記者が調査結果を伝えると、8年前の出来事を昨日のことのように話してくれた。
 「放鳥したトキは子供と一緒。心配していたらキリがないけどね」。親になった“わが子”の近況を知り、金子さんは穏やかに笑った。(写真報道局 大山文兄)




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