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大聖院の五百羅漢像  広島・宮島

 Uploaded by SankeiNews 2020/07/25

大聖院の五百羅漢像  広島・宮島

子供を抱いた優しいほほ笑み、目じりをつり上げた厳しい眼差し…。さまざまな表情の石像が被っているのは、なぜか赤や黄色の毛糸の手編みの帽子。人間味あふれる姿にいっそう親しみを加えている。 世界遺産・厳島神社がある宮島(広島県廿日市市)で最古の寺の大聖院。雨上がりの木漏れ日に照らされて、石段を上る参拝者を出迎えるのは、平成18年の開創1200年祭で奉納された五百羅漢像だ。 羅漢は仏道修行の聖人。信者らは親しみを込め「羅漢さん」と呼んでいる。帽子は奉納の数年後、「暑い日差しや寒さから、頭を守ってあげたい」と信者から届くようになり、その後も増え続けてきた。 帽子を編んで被せるのは、羅漢さんに施しをすることで、自身の心の安らぎを得て、恐れや不安を取り除く「布施行」の意味を持つ。また、この帽子がきっかけで信者同士の交流も広がり始めているという。 現在、大聖院でも新型コロナウイルスの影響で参拝客が激減。信者が集まる機会も減ってしまった。「羅漢さんを見習って人々のため、世の中の平和を祈っています」と吉田大裕副住職(29)は話す。 先の見えない辛い時期だからこそ、癒されたいときがある。コロナ禍の終息を願いながら、帽子を被った羅漢さんに手を合わせると、ユーモラスな表情が一瞬真顔に変わったような気がした。(写真報道局 納冨康)





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