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人よりかかしの方が多い不思議なムラを訪ねた

 Uploaded by 朝日新聞社 人よりかかしの方が多い不思議なムラを訪ねた (2019/09/09)

人よりかかしの方が多い不思議なムラを訪ねた

JR姫路駅から北へ車で約1時間、山に囲まれた小さな集落にたどり着いた。旧安富町(現・兵庫県姫路市)の関地区。住民は9軒に15人しかいない。7割が80代後半と90代で、60代が最も若い。
畑で農作業をしている人たちが見えた。こっちでは納屋の戸を開けようとしているおじさん。木の陰に目をやると、網を持って川をのぞき込んでいる孫とおじいちゃんらしき2人組。バス停のベンチに座っている人もいた。
 限界集落と聞いていたのに、思いのほか大勢の人に出くわした。でもなんだか静かで、何か変……。人に近づいても動かなかった。そう、かかしだった。全部で130体。よくできていて、人にそっくり。見て回っていると、道路沿いにかがんでいた作業着姿のかかしが立ち上がった。本物の人だった。
 かかしをつくったのは、兵庫県宝塚市の岡上正人さん。母親は関地区に一人で暮らすが、岡上さんも高校卒業までは住民だった。転勤で2000年に徳島に赴任した。「奥祖谷二重かずら橋」で有名な東祖谷を訪ねた時、民家の庭先に素朴なかかしが並んでいて、写真愛好家たちが集まっていた。故郷と同じような田舎の風景になじんだかかしたちに魅了された。「村おこしができるのでは」と直感した。





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