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垂直の壁もスイスイ ヒルをモデルにソフトロボット開発

 Uploaded by 朝日新聞社 垂直の壁もスイスイ ヒルをモデルにソフトロボット開発 (2019/07/14)

垂直の壁もスイスイ
ヒルをモデルにソフトロボット開発

垂直の壁を乗り越えて進むことができるロボット技術を、豊橋技術科学大(愛知県豊橋市)の大学院生が開発した。システムの頭文字を取った名前は「LEeCH(リーチ)」。動きの参考にした生物の英語名でもある。
 「生物のように柔らかいロボットが注目されている。水圧で暴れるシャワーのホースを見て、これをロボットにしたいとまず考えました」。機械工学専攻博士後期課程3年の金田礼人さんは、アイデアの出発点をそう説明する。
 構造はシンプルだ。吸盤のついた頭と、モーターを内蔵した胴にあたる部分が、3本の軽量の金属ホースでつながっている。胴部分を吸盤で壁に固定し、3本のホースをモーターで前方に送り出す。進んだ先で頭を吸盤で固定し、胴のモーターを逆回転させてホース上を胴が滑って前に進む。3本のホースを送り出す速さと長さを変えることで、頭を自在に曲げて進むことができる。池や森にすみ、人や動物に貼り付いて血を吸う「ヒル」(英語でleech)の動きを参考にしている。
 「LEeCH」は垂直の壁を登るだけでなく、壁を乗り越えて反対側に移ることもできる。建物の検査や災害現場での捜索といった活用が期待できる。壁を乗り越えるロボットはほかにもあるが、多数の吸盤を貼り付けて登る列車のような構造のもので、大きくて重かった。LEeCHは長さ約1メートルで300グラムほどの軽さが特長だ。ホームセンターで買うことができる部材を使い、安価で軽量に仕上げた。
 研究成果をまとめた論文は、4月に米国の科学誌「Soft Robotics」に掲載され、インパクトのある研究として関心を集めている。



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