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甘みと苦み 皮までおいしく 伝統菓子「ボンタン漬け」作り

 Uploaded by 朝日新聞社 甘みと苦み 皮までおいしく 伝統菓子「ボンタン漬け」作り (2019/04/01)

甘みと苦み 皮までおいしく
伝統菓子「ボンタン漬け」作り

鹿児島県阿久根市の「中村青果」。中村昭雄さんに迎えられて作業場に入ると、甘酸っぱい香りがふんわりと漂ってきた。ボンタンだ。直径18センチ、重さ1キロ。「このへんでは、庭に必ずボンタンの木があったんですよ」。
東シナ海に面した阿久根市は、白波が打ち寄せる海岸線が約40キロ続く。江戸時代、難破した中国の商船の乗組員が流れ着いた。阿久根のひとたちが彼らを介抱し、もてなすと、船長の謝文旦さんがお礼に二つの果実を贈った。その種から育った木を文旦さんにちなんで「ボンタン」と名づけた――と伝わる。
 淡いオレンジ色の果肉は、つぶが大きく、サクサクした口当たり。甘みのあと、ほんのり酸味が広がる。上品で控えめ。対照的に存在感を示すのが、分厚い皮だ。2~3センチの厚さで果肉を包み込む。この皮を煮詰めた伝統菓子が、ボンタン漬け。中村青果の向かいの「泰平食品」では、職人が手作りしている。
 黄色の表皮を削り、白く厚い皮を手でむく。あく抜きし、水や砂糖、水あめで炊く。カラメルを焦がしたような皮の苦みが、甘みと絶妙に絡む。「皮まで食べられるから、むだがないです」と、専務取締役の下薗大樹さん(が話した。




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