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お湯を0.1度刻みで調整 道後温泉の「汽缶士」 源泉、プロがブレンド

 Uploaded by 朝日新聞社  お湯を0.1度刻みで調整 道後温泉の「汽缶士」 源泉、プロがブレンド (2019/02/26)

お湯を0.1度刻みで調整
道後温泉の「汽缶士」 源泉、プロがブレンド

午前3時半。松山市の道後温泉本館を見下ろす高台にある「第2分湯場」の1階で、5本の配管に付いたバルブが一つずつ人の手で緩められていく。目盛り付きの透明な配管の中で、湯量を示す重りが静かに浮き上がった。本館の浴槽への送湯が始まったしるしだ。
 本館の開館は午前6時。2時間半前に送湯を始めるのは、夜中に冷めた浴槽を、湯をかけ流して温める時間が必要だからだ。源泉を集めて旅館やホテルへ送り出す分湯場は道後温泉に計4カ所。第2分湯場では、源泉2本と別の2カ所の分湯場から来る20〜50度程度の湯を混ぜ合わせ、本館に送る。加水、加温はしない。湯を配合する割合で温度が決まる。
 この作業にあたるのは、温泉を管理する市の職員「汽缶士(きかんし)」だ。冬場、本館の設定温度は42・3度。本館に届くまでに冷めることも考慮し、少し熱い湯を送る。この日の「出荷温度」は44・8度。気温に応じて毎日調整する。
 20年以上勤務する阪本修司さんは「配管や浴槽は地中の温度の影響も受ける。完全に経験則での判断です」。今季の冬は暖かく、44・8度は低めの設定だ。
 午前4時ごろに分湯場での作業は一段落するが、安心はできない。「ある程度たまって温度を測るまでは若干不安です」




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