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モーグル元エース伊藤みきが再びW杯へ

 Uploaded by 朝日新聞社 モーグル元エース伊藤みきが再びW杯へ (2019/02/15)

モーグル元エース伊藤みきが再びW杯へ

伊藤みき(北野建設)、31歳。昨季は4大会連続となる五輪切符を逃し、今季はナショナルチームからも15年ぶりに漏れた。引退の瀬戸際に立たされた。それでも、あきらめなかった。
 2通常2日に秋田であった競技会。「W杯に出たいっていうのが、本当に強かったから」。3位以内に入れば、ナショナルチーム外でもW杯秋田たざわ湖大会(23日開幕)への出場権が得られる選考会だった。2位。「私にとって、すごくすごく大きな一歩」。伊藤は涙を流した。
 残してきた足跡は輝かしい。15歳から日の丸を背負い、2013年には世界選手権で2位、W杯でもデュアルモーグル(非五輪種目)で優勝。五輪は06年トリノ大会から3大会連続で代表に選ばれた。
 順調なスキー人生は、しかし、けがで暗転する。13年12月、遠征先で右ひざ前十字靱帯を損傷。手術とリハビリを経て15年12月に再びW杯に戻ったが、以前のような活躍はもうできなくなった。3季前に11位に食い込んだのが精いっぱい。結果、昨年2月の平昌(ピョンチャン)五輪出場を逃し、日本代表からも外れることになった。
 昨春、引退を迷ったという。
 「若い頃のような体じゃない。もう、いいかな」「でも、大好きなモーグルを『ナショナルチームを外されたからやめます』なんて……」
 揺れる気持ちがようやく固まったのは、1月に入ってからだったという。
 「自分史上一番の滑りを、(13年12月の)けが後にやりたい」。手術後、そんな目標を掲げてきた。めざす滑りのヒントが、2月の選考会でやっと見えたという。今季は、第1エアの「ヘリコプター」(横1回転)で板をつかむ「グラブ」を導入。コブの浅いところを狙うターンも形になり始めた。
 確かな成長を感じているから、限界説なんて耳には入らない。3年後の北京冬季五輪は「まだ遠すぎて考えられない。今はもうW杯のことが頭にいっぱい」。今はただ、目の前の一戦。「私の全てを置きにいく」。次のW杯が、通算105戦目。2月23日、伊藤が約1年ぶりにW杯のスタート台に向かう。




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