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タカと一緒に一人暮らし 男子高校生、親元離れて

 Uploaded by 朝日新聞社 タカと一緒に一人暮らし 男子高校生、親元離れて (2019/02/09)

タカと一緒に一人暮らし 男子高校生、親元離れて

2羽のタカと鷹匠の男子高校生が、山あいの群馬県沼田市で一つ屋根の下で暮らしている。放課後にタカと一緒に散策したり、映画を見たり。厳しさの一方で甘さも漂う。「放してもちゃんと戻ってくるから、かわいい」と鷹匠で尾瀬高2年の小川涼輔君。放課後の校庭。口笛を吹くと、約50㍍先のメスのハリスホークの「ルギー」が、小川君に向かって真っすぐ羽ばたき、定位置の左腕に止まった。
全国でも数少ない高校生の鷹匠。全国から参加者が集う国内最大級の猛禽類の大会「フライトフェスタ」のハリスホークの部で、小川さんはルギーと組んで3連覇したこともある。
 育ったのは一般的な家庭。きっかけは小学6年の頃、テレビで鷹匠の姿を見てあこがれたことだ。当時は榛東村の実家で7人暮らし。小川さんが熱心にタカの本を読み、本気と分かると、家族はタカ用の小屋を作り、販売する店を探した。小川さんもお年玉やお小遣いをかき集めた。
 茨城県牛久市の猛禽類専門ペットショップで出会ったのが、1歳に満たなかったルギーと師匠となる藤田征宏さんだった。
 実家に来たばかりのルギーは、羽をばたつかせて威嚇してきた。今では、ルギーは小川さんの前では優しく見える。師匠の藤田さんは小川さんについて「素直でまじめ。大会でも自分で考えながら取り組んでいる」と評価する。
 小川さんは尾瀬高に入学し、学校そばの空き家を借りて一人で暮らす。同校の自然環境科で鳥について学ぼうと思ったからで、「相棒」のルギーも棟続きの小屋で暮らす。
 普段は放課後に自宅周辺で、30分ほど渡りの調教。その後、左腕に止まらせて2時間ほど散策する「据え回し」をして周囲の環境に慣れさせ、左腕が安心できる場所と分からせる。雨の日は自宅で一緒に過ごす。
 「一緒にいて信頼関係を築くことが大切。でも、ベタベタすると嫌われる」と小川さん。鷹匠として幅を広げようと、数年前からメスのオオタカ「レイア」(4歳)も飼う。ハリスホークより狩りに優れるとされるが、小川さんは「じゃじゃ馬」と表現する。ときに両脚で両腕をつかまれ、身動きできなくさせられる。
 高校卒業後は、藤田さんのもとで修行し、害鳥排除などタカと一緒に仕事をするのが夢だ。「タカは努力が返ってくる。今の生活は楽しいです」




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