傷口塞ぐ細胞、「車輪」で高速移動 魚で発見、通常細胞の１０倍速

Uploaded by 朝日新聞社　傷口塞ぐ細胞、「車輪」で高速移動　魚で発見、通常細胞の１０倍速 (2018/09/28)

傷口塞ぐ細胞、「車輪」で高速移動　魚で発見、
通常細胞の１０倍速

「車輪」を使って、皮膚の上を素早く移動して傷口を塞ぐ細胞を、山口大などの研究チームが小型の熱帯魚で見つけた。通常の細胞と比べて約１０倍も高速に動くという。英科学誌サイエンティフィック・リポーツに７月１７日、発表した。 　チームの沖村千夏・技術補佐員らは、魚の体で切り傷に集まって傷口をふさぐ細胞「ケラトサイト」に注目した。この細胞は「葉状仮足」という三日月型の平らな部分と、空気の抜けたラグビーボールのような部分から成る。 　移動中のケラトサイトを特殊な顕微鏡で動画撮影すると、ボールの部分は約６分間に１回転していた。速度は毎分０．０１～０．０２ミリで、哺乳類が持つ同様の細胞「ケラチノサイト」より１０倍以上速い。 　岩楯好昭准教授（生物物理学）によると、車輪による移動は凹凸の少ない場所ではエネルギー効率が良い。平らな体の表面では車輪が役立つのかもしれないという。