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「10分で一気に海水が」台風21号、想定外地域で高潮

 Uploaded by 朝日新聞社 「10分で一気に海水が」台風21号、想定外地域で高潮 (2018/09/11)

「10分で一気に海水が」台風21号、想定外地域で高潮

台風21号による高潮は、港湾施設だけでなく住宅にも被害を及ぼした。その中には、高潮による浸水が想定されていなかった地域もあり、備えのあり方が改めて問われている。
兵庫県芦屋市の中心部を流れる宮川。高潮で海面が上昇し、流れ込めなくなった川の水が、河口から約1km北の市街地であふれ、浸水被害が起きた。西岸の同市呉川町の主婦は、夫と娘、孫の4人で自宅にいた。2階から川を見ていると、3mほどの護岸から水があふれそうになり、さらに、ゆっくりと逆流し始めた。「これは氾濫(はんらん)する」。全員が2階へ避難。その直後、泥水が家の周辺を襲い、外壁が高さ20cmほど水につかった。
市が川沿いの地域に避難指示を出したのは、水位が護岸より低くなった後の午後2時50分だった。
高潮やその影響による川の氾濫などで床上・床下浸水被害に遭った住宅は、神戸市では9月6日時点で、集計していない東灘区深江浜町地区を除き、中央区東川崎町などで計47棟。芦屋市では10日時点で、人工島の南芦屋浜や宮川周辺など計287棟に上る。
早稲田大学の柴山知也教授(海岸工学)は6日、兵庫県内の沿岸部で浸水の跡を探し、住民の話を聞き取って被害状況を調査した。神戸市東灘区の深江浜町地区では、人工島全域が冠水したとみられ、浸水の深さは北部の東部市場付近で約95cmを記録。芦屋市の南芦屋浜地区では、海水が南岸の堤防から約210m北の市街地まで達し、浸水深は堤防近くで約64cmを記録したという。
神戸市は、防潮堤の整備が完了し、市街地への高潮被害の恐れはないとして、高潮ハザードマップを作っていなかった。県の高潮ハザードマップでは、芦屋市の宮川周辺の浸水を想定していたものの、南芦屋浜地区は浸水想定区域に含まれていなかった。
柴山教授は、近年雨の降り方が激しくなり、台風の進路も西日本を西進した7月の台風12号のように変わってきたと指摘。「これまでに起きた高潮に基づいた備えでは、十分に被害を防げない。行政は危険性や早めの避難を呼びかける必要がある」と話した。




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