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渓谷に差し込む復興の光・菊池渓谷

 Uploaded by SankeiNews 渓谷に差し込む復興の光・菊池渓谷 (2018/08/11)

渓谷に差し込む復興の光・菊池渓谷

「渓谷に差し込む復興の光」  熊本県 菊池渓谷
月明かりを頼りに川沿いの遊歩道を歩くこと20分あまり。河原に降り、上流の見通しの良いポイントにたどり着いた。夜明けまで1時間以上あるが、既に5人ほどの〝先客〟が三脚を広げ、その時を待っていた。
せみ時雨が少しずつ大きくなってきた。夜明けが近い。いつの間にか、カメラの放列は20人ほどになっていた。朝日が木立の合間から顔を出した。「来たぞ」。居並ぶカメラマンから声が上がった。薄くオレンジ色に染まった無数の光の束が、川面に伸びた。
7月から8月、木々からの蒸気や川霧に朝日が差し込み「光芒」が見られることで有名な菊池渓谷(熊本県菊池市)。平成28年4月に発生した熊本地震で甚大な被害を受け、立ち入りが禁止されていた。再開したのは約2年経った今年3月?日。復興を成し遂げた渓谷は今、3年ぶりの光芒シーズンを迎えている。
「もう、渓谷は終わった、と思った」。地震から1月後、渓谷内を見回った「菊池渓谷を美しくする保護管理協議会」の小川博哉さん(68)は述懐する。土砂崩れが至る場所で起き、川や遊歩道に大きな岩や木々が横たわっていた。湧水が水源の菊池川は、通常、雨が降っても2日ほどで清流の姿を取り戻す。だが、1月経っても、水は茶色く濁ったままだった。
遊歩道に重機を入れ、岩を砕いて運び出し、新たに手すりを設置するなどして再整備を行った。水は少しずつ透明度を取り戻した。
地震で川に落ちた巨大な岩は現在も、そのまま残されている。「取り除くことは困難。そこにコケが生え、草木が芽吹き、また自然の一部になっていく」。小川さんは、そう考えている。
(写真報道局 古厩正樹)




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