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原爆の話「苦手」だった少女 被爆者の人生を本に

 Uploaded by 朝日新聞社 原爆の話「苦手」だった少女 被爆者の人生を本に (2018/08/09)

原爆の話「苦手」だった少女 被爆者の人生を本に

学校で原爆の講話を聞くのが苦手だった女性が、被爆者の人生をつづる本を書き始めた。長崎市の松永瑠衣子さん。きっかけは、高校生の時、一人の語り部と出会ったこと。被爆者の思いを受け止めるには、自分たちと同じような日常があったと気づくことが必要――。自分の経験を生かそうと、教員を辞め、この春から執筆に専念している。
 長崎市の学校では毎年夏に向けて、被爆者を招いた講話会が開かれる。松永さんは小中学生のころ、講話を聞くのが気が重かった。原爆投下直後の様子や家族を亡くした話を聞くと怖くて悲しくなるからだ。大勢の子どもを前に話す被爆者を、心のどこかで「かわいそうで特別な人」とも思っていた。
 それが変わったのは高校1年だった2008年。当時参加していた学校外の活動で、語り部として長年活動する被爆者の下平作江さんの証言を映像で記録した。下平さんは爆心地から約800メートルの長崎市油木町の防空壕で被爆。妹は戦後、差別に苦しみ自ら命を絶った。「私には死ぬ勇気がなかっただけ」。最後に思いを託すように「平和のバトンをあなたに」と松永さんの手を握った。
 目の前で向き合い、温かい手に触れて、思った。被爆者は「特別な人」じゃない――。自分たちと同じような日常に原爆が落とされたのだと気づいた。




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