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ゲゲゲの砂かけ婆、実は奈良出身? 「出た」所に行くと

 Uploaded by 朝日新聞社 ゲゲゲの砂かけ婆、実は奈良出身? 「出た」所に行くと (2018/06/06)

ゲゲゲの砂かけ婆、実は奈良出身?
「出た」所に行くと

2015年に亡くなった水木しげるさんのマンガ「ゲゲゲの鬼太郎」に登場し、鬼太郎を助けて悪い妖怪と戦う「砂かけばばあ」。今も「鬼太郎」のアニメで活躍中だが、数年前、砂かけ婆(ばば)が奈良県の妖怪と聞いて驚いた。
 妖怪研究の権威だった民俗学者・柳田國男の論集「妖怪談義」を開くと、各地に伝わる妖怪の名前と伝承を集めた「妖怪名彙」に「スナカケババ」の項があり、「奈良県では処々でいう」と確かに書かれている。
 奈良県内の妖怪伝承について調べ、月刊の電子新聞「奈良妖怪新聞」で紹介している妖怪文化研究家の木下昌美さんに話を聞いた。柳田にこの妖怪を教えたのは、奈良県出身の医学博士で民俗学者でもあった澤田四郎作という人物。澤田の著書「大和昔譚」には「お化けのうちに、スナカケババというものあり。人淋(さび)しき森のかげ、神社のかげを通れば、砂をバラバラふりかけて、おどろかすというも、その姿を見たる人なし」とある。だれも見ていないのに、なぜか「婆」なのだ。
 木下さんも奈良県内を調べたが、現段階で澤田の著作以外に「砂かけ婆」の目立った伝承を見つけることはできないという。「その代わり、砂をかける『坊主』やタヌキ、キツネの伝承は、かなり広くみられます」
 奈良県河合町で、「砂かけ」の妖怪が出たという場所を案内してもらった。町南部の光明寺という寺では、前の道を通ると上から砂をかけられたという。道の両側には高い塀が連なり、その上に大きな木が見えた。町北部の常教寺の門前にも同様の伝承があるそうだ。暗闇の中、風で砂が飛んできたとしたら、木や高い建物の上からまかれたように感じるだろうか。
 「奈良にタヌキやキツネ、老婆などの『砂かけ』妖怪が伝わっていた中で、『砂かけ婆』を柳田國男が紹介し、水木しげるがマンガにしたことで一層有名になったのではないでしょうか」と木下さんは分析する。




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