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1300年続く「鬼の宿」 奈良・下北山村

 Uploaded by 朝日新聞社 1300年続く「鬼の宿」 奈良・下北山村 (2018/06/05)

1300年続く「鬼の宿」 奈良・下北山村

かつて鬼の夫婦がもうけた5人の子とその子孫が営んだと伝わる5軒の宿があった。現在も山奥に残る1軒宿を訪ね、町へ下りた「鬼の子孫」の行方を追った。
 紀伊山地の奥深く。渓谷を縫う国道169号から林道に入って進むと、森の中から1軒の宿「小仲坊」が現れる。奈良県下北山村前鬼。鬼の伝説が残る小さな里だ。標高800メートル。里の北約9キロにある近畿最高峰の八経ケ岳などが連なる大峯奥駈道の一部で、修行を積む山伏や登山者らが泊まる。個室はなく、電気は自家発電だ。
 5月の未明。山伏ら27人が宿にあるお堂で読経し、その後ヘッドランプをつけて山へ修行に向かった。宿の主人の五鬼助(ごきじょ)義之さんは手を合わせ、見送った。
 お堂は、修験道開祖の役行者と、仕えた鬼の夫婦、前鬼と後鬼をまつる。伝承では、五鬼助さんの先祖はこの鬼夫婦。1300年ほど前、夫婦の5人の子が5軒の宿坊をそれぞれ開き、子孫が代々営んできた。
 幕末に書き残されたとされる系図の写しがある。前鬼と後鬼を示す義覚と義賢に始まり、義達、義卒……。「義」の字が受け継がれてきた。義覚は195歳、義達は147歳まで生きたと伝わる。




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