女性初の初級合格 「バガボンド」に登場の宝蔵院流槍術

Uploaded by 朝日新聞社　女性初の初級合格　「バガボンド」に登場の宝蔵院流槍術 (2018/06/01)

女性初の初級合格　「バガボンド」に登場の宝蔵院流槍術

４６０年以上前から奈良に伝わる古武道「宝蔵院流槍術（ほうぞういんりゅうそうじゅつ）」で２０１８年春、女性が初めて初級に昇級した。伝統的に男性のみで継承されてきたが、昨年から女性の入門を認めていた。昇級した女性は「男女の差はほとんどありません」と稽古に励んでいる。 ５月中旬、奈良市内の武道場で威勢の良いかけ声が響いた。声の主は鈴木八寿子さん。毎週土曜日、京都市伏見区の自宅から夫の直さんと１時間かけて稽古に通う。 　４月にあった宝蔵院流の昇級審査で初級に合格した。初級審査は、１年以上にわたり３０回以上の稽古に励み、１４の基本の型を身につけた場合に受けられる。中級、上級と昇級し、一定以上の技を修めた「目録」に昇格すると演武会などに出場できる。 　入門したきっかけは昨年３月の見学会。キックボクシングをしていた格闘技好きの直さんに誘われた。５分ほどやりを振ってみた。「こんな長い棒を振り回すことは日常ではまずない。面白いかも」。宝蔵院流の代表にあたる第２１世宗家の一箭（いちや）順三さんに「今年から女性もオッケーです」と言われ、入門を決めた。 　それまで宝蔵院流は「女人禁制」だった。「女性は習えないのですか」との問い合わせが年に数件寄せられており、女性入門を幹部で話し合っていた。慎重な声もあったが、「技を後世に伝えるのが使命。女性に伝えられない理由はない」との結論に至り、幹部全員で女性の受け入れを決めた。