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「天空の要塞」若松鉱山跡

 Uploaded by 朝日新聞社 「天空の要塞」若松鉱山跡 (2018/05/15)

「天空の要塞」若松鉱山跡

「天空の要塞(ようさい)」と呼ばれる鳥取県日南町の若松鉱山跡。かつてクロム鉱石の産地として日本の製鉄業を支えた国認定の近代化産業遺産だ。立ち入り禁止だが、事前申請すれば案内付きで見学が可能。先月下旬、中国山地の奥深くに眠る廃鉱を探検した。
 案内役は日南町企画課の古川則仁さん。町役場から国道を車で進み、鉱山跡に向かう脇道に入る。途中から徒歩で山道を上り、しばらくすると山腹に張り付くように建てられた赤茶色の鉱山施設があらわれた。
 最初に入ったのは機械選鉱場。鉱石を選別する機械が整然と並ぶ。朽ちたトタン屋根の隙間から漏れる光が、さびついた機械の表面を照らしていた。
 クモの巣や踏み抜きそうな床板を避けながら、さらに奥深くへ潜入。ベルトコンベヤーや圧縮機などの重厚な機械が好奇心をくすぐる。最後にたどり着いたのは鉱務所。電話機やカレンダーが残り、壁には「安全は命掛けより心がけ」などの標語が掲げられたままだった。
 古川さんによると、操業当時の姿をとどめた廃鉱は貴重で、最近は「廃虚好き」を案内することも多いという。「古い鉱山機械の美しさや廃虚のワクワク感にひかれるのでしょう」
 明治後期に操業を始めた若松鉱山。クロム鉱石の産出量で日本一を誇った。クロム鉱石は製鉄炉の壁に使われる耐火れんがの材料で、近代日本の製鉄業に欠かせない存在だった。




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