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駅舎、日本家屋…受刑者が描く背景画、数々の漫画で採用 美祢社会復帰促進センターの刑務作業

 Uploaded by 朝日新聞社 駅舎、日本家屋…受刑者が描く背景画、数々の漫画で採用 美祢社会復帰促進センターの刑務作業 (2018/01/05)

駅舎、日本家屋…受刑者が描く背景画、数々の漫画で採用
美祢社会復帰促進センターの刑務作業

十数人が一心にパソコンのマウスやタブレット端末用のペンを動かしている。描いているのは街並みや建物、車など漫画で使われる背景画だ。ただ、この人たち、漫画家ではない。刑務所の受刑者たちだ。
 山口県美祢市にある官民協働の刑務所「美祢社会復帰促進センター」。10月中旬の午後、作業棟では明るい緑色の作業服を着た12人の受刑者が、パソコンやタブレット端末に向き合っていた。指導にあたる漫画家の苑場凌さん=本名・渋谷巧さん=がやって来た。受刑者の一人がすかさず手を挙げる。刑務官に「交談願います」と申し出ると帽子を取り、苑場さんに質問した。苑場さんは一つひとつに丁寧に答えた。
 刑務作業に背景画の描画が採り入れられたきっかけは、2014年の夏。美祢市出身の苑場さんは、知人の誘いで刑務作業を見学した。そこで、専用のソフトを使って観光用チラシを描く受刑者の姿を見た。
 「この人たちはどれくらい絵を描けるのだろう」と興味がわき、指導役を申し出た。執筆拠点を置く東京から月1回、通うようになった。15年春、作家の内田康夫さんの小説の漫画化が決まり、苑場さんが作画を任された。美祢市が舞台の一つになっている作品で、受刑者たちに背景を描いてもらうことを思いついた。
 センターも提案を受け入れた。最初は乗り気に見えなかった受刑者たちだが、自分たちが描いた絵が載った本を手にすると笑顔になったという。
 苑場さんは受刑者たちが描いた背景画の販売サイト「漫画家本舗」を立ち上げた。1作品につき300~500円台で販売している。いろんな所で使われれば、受刑者たちのやる気がさらに上がるのではと考えた。背景画は駅舎や日本家屋、東京スカイツリー、いろんな種類の車などさまざまで、数々の漫画で使われ始めている。




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