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view JR三江線 役目終える山あいの鉄道

 Uploaded by SankeiNews view JR三江線 役目終える山あいの鉄道 (2017/11/11) 

view JR三江線 役目終える山あいの鉄道

赤褐色が印象的な瓦屋根の集落を1両の気動車がゆっくりと通過する。島根県江津(ごうつ)市と広島県三次(みよし)市を結ぶJR三江(さんこう)線は中国山地の山あいを走る。色鮮やかな屋根は島根県産の石州瓦の家々だ。
 三江線は来年3月末で廃止される。延長約108キロのほとんどが江(ごう)の川に沿って運行し、6市町の沿線住民の生活を長年支えてきた。JR発足後に100キロ以上の鉄道が全線で廃止されるのは本州では初めてだ。
 昭和5年に島根県内の一部で開業してから、戦争の影響などで工事は中断を繰り返し、全線で開通するまで45年もかかった。
 「川と四季折々の風景が楽しめる」と鉄道ファンに人気の路線だが、典型的な赤字路線で、沿線の過疎化や車社会の進展などで利用者は減り続けた。1日当たりの利用人員がJR発足時の10分の1にまで落ち込んだ年もあった。また近年の豪雨による復旧工事の繰り返しが経済的に合理的でないと判断されたのも廃止の理由とされる。
 「始発列車には10人ほど乗車していますが、そのうち高校生は半数ぐらい」。毎朝、江津駅から約1時間かけて因原駅まで通勤する会社員の小荒田(こあらた)英樹さん(52)が朝の利用状況を話してくれた。沿線にある高校の生徒は専用スクールバスで通うため三江線の利用は少ない。
 石見川本駅のある川本町の植田須美江さん(85)は「終戦直後は列車にぶら下がって乗車するほど混雑していました。それが昭和40年代には自家用車が普及し、それ以降ほとんど乗った覚えがありません。三江線に悪いことをしたかな」と振り返る。
 地元では鉄路を失うことに不安の声も上がる。植田さんは「この先、何年車を運転できるか」気がかりだ。沿線住民の多くが語る率直な声だった。
(写真報道局 桐山弘太)




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